内容紹介
統計的推測は科学的心理学の根幹をなす方法であるが、心理学者でさえ混乱していることが多い。主流の仮説検定の問題点と誤解、ベイズ統計、尤度検定の導入まで、さまざまなアプローチの特徴と原理が前提となる科学哲学からよくわかる、類例のない入門書。
まえがき
1.カール・ポパーと境界設定
背景:論理実証主義
帰納の問題
批判的議論の役割
科学とは何か?
精神分析学、マルクス主義、相対性理論
反証可能性の程度
反証可能性
真実らしさ
客観的知識
確率的な理論と反証
心理学における理論は反証可能か?
知識社会学
真実、道具主義、現実主義
ポパーの考えを用いて研究論文を批判的に評価する
おわりに
ふりかえりと議論のための質問
理解を深めるための文献案内
2.クーンとラカトシュパラダイムとプログラム
トーマス・クーンとパラダイム
クーンの立場から見た危機
革命
概念形成についての覚書
クーン 対 ポパー
相対主義とポストモダニズム
ラカトシュと研究プログラム
前進と退行
ある例
新奇性
科学の方法論の選び方
クーンとラカトシュの考えを用いて研究を評価する
おわりに
ふりかえりと議論のための質問
理解を深めるための文献案内
3.ネイマン、ピアソンと仮説検定
フィッシャー、ネイマン、ピアソン
確率
データと仮説
仮説検定:α
仮説検定:αとβ
実際の検定力
感度
停止規則
多重検定
フィッシャー流の推測
有意性検定に関してよく誤解されるその他の点
信頼区間
ネイマン―ピアソンアプローチに対する批判
ネイマン―ピアソンアプローチを使用して研究論文を批判的に評価する
まとめ
ふりかえりと議論のための質問
理解を深めるための文献案内
4.ベイズと仮説の確率
主観的確率
ベイズの定理
尤度
ベイズ分析
停止規則
ベイジアンアプローチの弱点
ベイジアンアプローチを使用して研究論文を批判的に評価する
まとめネイマン―ピアソン 対 ベイズ
ふりかえりと議論のための質問
理解を深めるための文献案内
ベイズファクターを計算するためのMatlabのプログラム
付録1 個人のオッズを直接得る
5.フィッシャーと尤度――科学的知見への王道
有意性が証拠とならないのはなぜか
ベイズの事後分布が証拠とならないのはなぜか
尤度比が証拠となるのはなぜか
誤った結論につながる証拠や弱い証拠の確率
尤度区間
カテゴリカル変数の例
ほぼ正規性をもつデータの例
証拠を積み重ねる
モデルを選択する
真実を知る
ランダム化
尤度アプローチを使用して心理学研究を批判的に評価する
ネイマン―ピアソン、ベイズ、尤度推測のまとめ
ふりかえりと議論のための質問
付録2
A.比率に関するプログラム
B.2×2クロス集計表に関するプログラム
C.分散が未知の正規分布の平均に関するプログラム
D.参加者間の対比に関するプログラム
日本語版への補遺――開かれた社会と科学
訳者あとがき
用語集 / 参考文献 / 人名索引 / 事項索引
装幀=新曜社デザイン室