内容紹介
うつや不安といった精神疾患はなぜ生じ,なぜ続くのか? 心の変化を記憶と学習の観点から科学的に理解し,支援につなげる。
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はじめに
序章 認知臨床心理学研究の意義と方向づけ
1 認知臨床心理学の位置づけ
2 理論と治療技法を確立する
3 基礎研究の臨床翻訳
4 集団における効果と個人における効果
5 まとめと臨床的示唆
コラム1 Hierarchical Taxonomy of Psychopathology(HiTOP)
第1部 信念と推論:「現実の意味づけ」が歪むとき
第1章 ネガティブなスキーマと信念:ネガティブな自己はどのように形づくられるか
1 ネガティブなスキーマと信念の測定
2 スキーマや信念はどのように更新されるか
3 発達早期の経験が重要なのはなぜ?
4 スキーマの更新における記憶の役割
5 マインドフルネスによるスキーマの不活性化
6 まとめと臨床的示唆
コラム2 差次感受性理論の視点から「ばらつき」を探る
第2章 推論の誤りとメタ認知:統合失調症の認知メカニズム
1 推論の誤り
2 推論の誤りと妄想
3 メタ記憶の障害と精神疾患
4 陽性症状(妄想・幻覚)における不随意検索の役割
5 メタ認知トレーニング
6 まとめと臨床的示唆
コラム3 精神病理学における計算論的アプローチの展開
第3章 情動処理バイアス:注意,解釈,記憶:うつ病・不安症における認知の偏り
1 注意バイアス
2 解釈バイアス
3 記憶バイアス
4 バイアスの結合
5 認知バイアス修正法
6 まとめと臨床的示唆
第2部 思考と記憶:ネガティブな思考はなぜ続くのか?
第4章 反すう:ネガティブ情報の持続的な活性化
1 反すう概念とその測定
2 反応スタイル理論
3 処理モード仮説
4 制御理論
5 メタ認知理論
6 学習(習慣)理論
7 統合モデル(HEXAGONモデル)
8 反すうへの介入
9 まとめと臨床的示唆
コラム4 心のさまよい,マインドワンダリングと精神的健康
第5章 実行機能/ワーキングメモリ:認知的柔軟性と精神疾患の関係
1 実行機能/ワーキングメモリ
2 精神疾患における実行機能の低下
3 うつ病・反すうとネガティブ刺激の抑制・更新困難の関連
4 コンフリクト処理(コンフリクトモニタリング/コンフリクト解決)
5 高反すう者における柔軟性の欠如
6 実行機能/ワーキングメモリ訓練の効果
7 まとめと臨床的示唆
コラム5 心配は身の毒?:固執性認知仮説
第6章 自伝的記憶の概括化:記憶へのアクセスとその異常
1 自伝的記憶の概括化
2 自伝的記憶の階層構造と検索過程
3 CaR-FA-Xモデル
4 自伝的記憶の概括化によって引き起こされる問題
5 自伝的記憶の概括化に対する介入
6 まとめと臨床的示唆
第7章 思考抑制と記憶抑制:不快な思考と記憶を制御する試みは有効か
1 思考抑制の古典的研究
2 侵入思考/侵入イメージ
3 思考抑制に関する近年の知見の乖離
4 記憶抑制
5 記憶バイアスと記憶抑制
6 記憶抑制のメカニズム
7 知見の統合
8 まとめと臨床的示唆
第8章 エピソード的未来思考と感情:希望とモチベーションの回復
1 エピソード的未来思考
2 エピソード的未来思考と精神疾患
3 エピソード的未来思考と関連する「予測」
4 エピソード的未来思考を訓練する
5 まとめと臨床的示唆
第3部 学習と不安:恐怖と不安はどのように修正できるか?
第9章 恐怖条件づけ:恐怖と不安の獲得と克服
1 恐怖獲得と恐怖条件づけ
2 恐怖・不安関連問題の形成や維持に関連する恐怖条件づけの諸現象
3 恐怖反応を減少させる手続き
4 まとめと臨床的示唆
第10章 回避行動:回避行動の理解と介入
1 回避行動の基本
2 回避行動の2要因理論と批判
3 現代における回避行動の諸理論
4 まとめと臨床的示唆
コラム6 習慣行動と強迫症
第11章 侵入記憶と侵入イメージ:トラウマ記憶とその修正
1 侵入記憶と侵入イメージ
2 特殊メカニズム説と基礎メカニズム説
3 侵入記憶と侵入イメージの修正
4 フラッシュフォワード
5 まとめと臨床的示唆
第12章 不安症の共通要因:心配,イメージ,内受容感覚処理
1 心配
2 イメージ
3 内受容感覚
4 不安感受性とLooming Cognitive Style
5 不安理論のうつ病への適用
6 まとめと臨床的示唆
コラム7 自己注目をすると目が据わる?
終章 基礎研究の知見を臨床実践へ:認知臨床心理学の未来
1 認知心理学と学習心理学の融合
2 異なる臨床アプローチと認知臨床心理学
3 まとめ
コラム8 認知変容における「腑に落ちる理解」
おわりに
文献
索引