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登録日:2026/5/27

きょうだい間虐待によるトラウマ――子ども・家族・成人サバイバーの評価と介入戦略

出版社
明石書店
発売日
2023/9/4
ISBN
9784750356426
ASIN
4750356425

補足情報

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ページ数
544ページ
価格情報
5,000円(税抜)

内容紹介

本書は、「きょうだい間」による性虐待・身体的虐待・心理的虐待などの原因から、トラウマによる発達への影響や重複被害等のリスク要因、さらに評価・介入・治療までを包括的に解説する。家族間暴力の空白といわれる「きょうだい間虐待」におけるバイブル的な一冊。

版元コメント

まえがき  本書は、きょうだいという関係性を発展させていく中で生じる“きょうだい間虐待”によって引き起こされるトラウマに対する心理療法的・家族療法的なアプローチにつき、統合的観点やストレングスの観点から言及している。本書は、家族間暴力の専門家にとっての学びを深め、子どもが発達していくうえでのきょうだいの存在が及ぼす影響についての理解にも繋がるはずである。第1版から15年以上が経ち、この第2版ではその間に蓄積された子ども虐待分野の進歩を反映し、改訂・更新を行っている。きょうだいの関係性というものを明確にするために、きょうだいが互いにどのように発達に影響を及ぼし合うのかについての最近の主要な研究成果についても言及している。そしてそのような生涯を通じたきょうだいの関係性の影響に関する研究成果を、きょうだい間虐待の被害児や成人サバイバーへの臨床的対応に結びつけて言及している。この第2版でも、第1版と同様に、主にきょうだい間虐待の評価と治療に焦点を当てているが、本書ではきょうだい間の性虐待や暴力だけに焦点を当てるのではなく、より包括的で統合的なアプローチで、きょうだい間虐待によるトラウマの研究につき記述している。本書では、トラウマに関しての体系的な理解を促進するために、他書ではほとんど描かれていないきょうだい間虐待の問題を抱えた子ども・家族、そして成人サバイバーについての、臨床経験に基づく例示を随所に行っている。具体的に記述された臨床像や逐語録により、実際の事例に対応する際の治療的原則について理解することが出来るであろう。本書は、きょうだい間虐待の問題を抱える人々にどのように対応し評価を行うのかの理解を深め、臨床現場ですぐに役立つ知識が得られるだけではなく、この分野の研究を行ううえでのアイデアを得るうえでも役に立つであろう。

目次を表示

まえがき  推薦の言葉  謝辞 序章 本書の構成と留意点 第Ⅰ部 子どもの発達に及ぼすきょうだいの影響ならびにきょうだい間虐待の基礎知識 第1章 きょうだいとは何か  「きょうだい」の家族システム論、トラウマ理論、関係論  定義と専門用語   ○きょうだい間暴力   ○きょうだい間性虐待   ○心理的虐待   ○親と特定のきょうだいとの連合形成   ○きょうだい間の脱同一化   ○きょうだい間虐待の被害児と成人サバイバー  きょうだい間虐待の被害に目を向ける  まとめ 第2章 きょうだいの関係性に関する研究成果  乳幼児期・学童期の発達に及ぼすきょうだいの影響  思春期の発達に及ぼすきょうだいの影響  家族の形成にきょうだいが及ぼす影響  成人期以降のきょうだいの関係性  まとめ 第3章 虐待的なきょうだい関係  きょうだい間の暴力と性虐待の重複被害のリスク要因と防御要因   ○家庭内のシステム的なリスク要因   ○家庭内のシステム的な防御要因   ○個人のリスク要因  障害のある子どもときょうだい  きょうだい間虐待の国際的視点  まとめ 第Ⅱ部 きょうだい間の暴力と性虐待 第4章 きょうだい間性虐待  きょうだい間の通常の性的関わりと性虐待の違い  きょうだい間性虐待が報告された家族の特徴   ○両親の物理的もしくは実質的な不在   ○性に関する不適切な家庭内環境   ○親のきょうだい間差別   ○厳格な性役割の存在   ○秘匿性の存在   ○暴力や脅しによる支配  男児の性虐待被害  兄-弟間の性虐待  姉-妹間の性虐待  きょうだい間性虐待の加害児  トラウマの影響  まとめ 第5章 きょうだい間暴力  通常のライバル性に基づくきょうだい喧嘩ときょうだい間暴力の違い  父親ときょうだい間暴力との関係性  パンデミック状態といえるきょうだい間暴力の現状  将来の関係性暴力の発生基盤としてのきょうだい間暴力  心理的虐待  家族の特徴   ○効果的でないしつけ   ○親のきょうだい間差別   ○きょうだい間の脱同一化   ○配偶者間虐待(DV)   ○家族間の境界線の不明瞭化   ○共感性の欠如  性別による違い   ○兄から妹への暴力   ○姉から弟への暴力   ○兄から弟への暴力   ○姉から妹への暴力  トラウマの影響  まとめ 第Ⅲ部 臨床実践 第6章 きょうだい間虐待の評価  きょうだい間虐待ケースへの面接法   ○被害児との面接    ・加害きょうだいへの恐れについての評価    ・きょうだい間でどれだけ自己主張をすることが出来るかの評価    ・きょうだい間の力の差異についての評価    ・加害児の有責性に対する、被害児の認識についての評価    ・心理的虐待の認識についての評価   ○加害児との面接    ・加害をしていることの認識についての評価    ・共感能力についての評価    ・支配的な行動についての評価    ・加害児の被害歴の聴取   ○加害にも被害にも関与していないきょうだいとの面接   ○きょうだい同時面接    ・ストレングスの評価    ・葛藤解決スキルの評価    ・共感能力とコミュニケーションスキルの評価    ・親のきょうだい間差別の評価    ・友人の前や親のいないところでの、きょうだいへの対応の評価    ・親がどれだけ機能するのかに対してや、親のしつけに対しての子ども側の認識の評価    ・家庭内で揉めごとが生じた際の、親の問題解決能力に対する子ども側の認識の評価    ・生じている問題が虐待であると認識しているかの評価    ・きょうだい同士の関係性や、親ときょうだいとの関係性の評価   ○親との個別面接   ○父母(夫婦)同時面接   ○家族同時面接  まとめ 第7章 子どもと家族のための最善の臨床実践  治療的介入  トラウマ性のストレス   ○解離症状の治療  文化的問題への考察   ○ラテン系米国人家族のきょうだい   ○アフリカ系米国人家族のきょうだい  家族や両親に焦点化した治療アプローチ   ○加害児でも被害児でもないきょうだいへのセラピー   ○ペアレントトレーニング・プログラム  小児思春期児向けのグループセラピー  まとめ 第8章 子どもと家族への介入の実際  ネグレクト家庭   ○症例提示:エレナとジュリオのケース    ・治療的介入      家族が変化を受け入れるための基盤を形成する      両親のネグレクトの認識を明確にする  片方の親が養育にほとんど関わらない状況の家庭   ○症例提示:タバサのケース   ○症例提示:カールソン一家のケース    ・家族の評価    ・治療的介入      ターニャの安全の評価を行う      役割の硬直化を緩和していく       きょうだいの脱同一化に関連した問題を低減させる     きょうだいに生じた変化を家族システムに組み込む  ヤングケアラー家庭   ○症例提示:サミュエルのケース    ・家族内の虐待関係の評価を行う    ・きょうだい間虐待の被害開示    ・治療的介入      父親以外の家族成員との合同セッション      父親のケネスとの個別セッション      母親のシャロンとの個別セッション      父母(夫婦)合同セッション      サミュエルのトラウマ処理過程      きょうだい合同セッション      加害親-被害児合同セッション      家族再統合  ステップファミリー   ○症例提示:エマのケース    ・家族の歴史    ・治療的介入      父母(夫婦)合同セッション      きょうだいへの支配的関わりの背景にあるトラウマの問題を明確化する  複数の問題を抱えた家族  きょうだい間虐待の加害児に対するグループ療法   ○症例提示:マーシャルのケース 第9章 きょうだい間虐待の成人サバイバーへの心理療法  共感的交流の重要性  アタッチメント(愛着)と自己制御機能  体験を重視した治療アプローチ  思考と感情   ○症例提示:スティーブのケース    ・変化に向けた治療的基盤作り    ・スティーブの責任性を明確化する    ・きょうだい合同セラピー    ・世代間連鎖について理解する   ○症例提示:キャシーのケース    ・家族の歴史    ・トラウマに関連した適応に着目する    ・加害者に植えつけられた認知の歪みを検証する    ・境界線の侵害を処理する    ・機能停止したきょうだいイメージを明確化する  元家族との治療セッション   ○症例提示:ベティのケース    ・治療の初期段階    ・治療関係の中でセラピストとの間に生じた、トラウマ関連事象につき対応する    ・元家族との合同セラピー  まとめ 第10章 きょうだい間虐待の予防と公共施策  予防戦略   ○きょうだい間性虐待   ○きょうだい間暴力  研究の将来展望  あとがき 補足資料  A 研究プロジェクトについて   ・研究参加者の特徴   ・きょうだい間暴力について   ・きょうだい間性虐待について   ・きょうだい間の暴力と性虐待の重複被害について  B きょうだい間虐待ケースにおける面接ツール   ・被害児との面接   ・加害児との面接   ・加害児でも被害児でもないきょうだいとの面接   ・きょうだい同時面接   ・親との個別面接   ・父母(夫婦)同時面接   ・家族同時面接  C 生まれ育った家庭のきょうだい関係を明確化するためのワーク  D きょうだい間虐待の成人サバイバーへの半構造化面接ツール   ・面接時の質問項目  参考文献  訳者あとがき  索引

著者略歴を表示

ジョン・V・カファロ

ジョン・V・カファロ博士は、きょうだい間暴力の専門家として国際的に知られた存在であり、米国・欧州・アジア諸国の児童虐待の専門家やメンタルヘルスの専門家に対し、定期的にトレーニングを実施している。現在、カリフォルニア州の児童福祉部のサービス向上専門コンサルタントを務めており、児童虐待、きょうだい間の暴力と性虐待、PTSDの体系的な治療的アプローチに関しての査読付き論文を多数執筆している。 また、ロサンゼルスにあるアライアント国際大学のカリフォルニア心理学専門大学院(CSPP: the California School of Professional Psychology)の特任教授を務めており、カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部児童精神医学レジデント・トレーニング・プログラムの臨床教授補佐を兼任している。また、米国心理学会のトラウマ部門(ディビジョン56)および家族心理学部門(ディビジョン43)の評議員も務めている。臨床家としても、20年以上の臨床経験を活かしたトラウマ治療を提供しており、現在、心理療法、教育、執筆、専門家育成にも精力的に取り組んでいる。

溝口 史剛

1999年群馬大学医学部卒、2008年群馬大学大学院卒(医学博士)。 群馬大学小児科関連病院をローテート勤務し、現在、群馬県前橋赤十字病院小児科副部 長、群馬大学大学院小児科非常勤講師。2021年公認心理師登録。 専門は、小児科学一般、小児内分泌学、子ども虐待医学。 [主な著書] 『子ども虐待の画像診断――エビデンスに基づく医学診断と調査・捜査のために』(ポール・K・クラインマン編著、小熊栄二と共監訳、明石書店、2016年)、『子どもの虐待とネグレクト――診断・治療とそのエビデンス』(キャロル・ジェニー編著、小穴慎二・白石裕子と共監訳、金剛出版、2018年)、『SBS:乳幼児揺さぶられ症候群――法廷と医療現場で今何が起こっているのか?』(ロバート・M・リース著、翻訳、金剛出版、2019年)、『虐待にさらされる子どもたち――密室に医学のメスを:子ども虐待専門医の日常』(ローレンス・R・リッチ著、翻訳、金剛出版、2020年)、『ぎゃくたいってなあに』(青木智恵子著、監修、金剛出版、2020年)、『子どもへの体罰を根絶するために――臨床家・実務者のためのガイダンス』(エリザベス・T・ガースホフ/シャウナ・J・リー編、翻訳、明石書店、2020年)など。

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