登録日:2026/6/1
いっしょに考える家族支援―現場で役立つ乳幼児心理臨床―
- 出版社
- 明石書店
- 発売日
- 2010/11/19
- ISBN
- 9784750333052
- ASIN
- 未設定
- 概要・目次
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補足情報
openBDに収録されている書誌情報を表示しています。
- ページ数
- 264ページ
- 価格情報
- 2,000円(税抜)
内容紹介
現代社会においては、子育てがむずかしくなったと言われる。本書では、急速に変化する子育て環境を概観し、“心理臨床”の実践手法を援用しながら、主に乳幼児期から学童期にある子どもと家族の支援のあり方について考察する。
版元コメント
あとがき 本書では、乳幼児期の子どもを育てる家族を想定した心理臨床的支援について考えてきました。特にこれから実践に携わろうとする方々に役立つと思われるものを、できるかぎりコンパクトに、かつわかりやすく伝えようとする作業は、とてもやりがいのある、それでいて、かなり悩ましい体験でもありました。 子育て家族への支援が行われる場は様々で、私たちの日常生活のあらゆる範囲に及んでいます。必然的に支援のニーズも個別性が高まる分野なのですが、こうした中にもやはり、何らかの特性を抽出し、心理臨床のジャンルとして再統合していくことが重要でしょう。 こうした課題を抱える中で、実践の方向性は様々でありながらも、子どもを中心に家族を支援するという共通理解の持てる多くの執筆者に恵まれたことは、この上なく幸運だったと思います。執筆者の協調的な作業のおかげで、子育てを巡る現代家族の状況、支援をしていくために必要な理論や技法、そして具体的な実践まで、ぎっしりと中身の詰まった一冊となりました。 それにもかかわらず、一年以上も悪戦苦闘して、今ようやく「あとがき」にたどり着いてみると、まだ書いておきたいことが、後から後から湧いてくるのです。これで良いと思えるところまで、なかなかたどり着けません。結局それは、私自身が今も日々、子育て支援現場の中で、ホットな体験をし続けているせいだと思うのです。一言で表すのが難しいのですが、「子育て期、特有の熱気」というのでしょうか。それは私のエネルギー源であり、悩ましさの源でもあるようです。そのようなことから、二つほど、次への課題らしきものをお伝えして終わりたいと思います。 ○夫婦で子育てする・社会で子育てする 現代は、ワーク・ライフ・バランスが奨励される社会になってきました。このとき大事なのは、夫婦が大人中心の生活の中で、自分たちの役割を分担すること以上に、子どもにとっての心理・社会的環境がより良くなること、つまり、子どもにとっての生活を中心に、バランスがとれていくことが、家族支援の目指すところだと言えるでしょう。 加えて、子どもにとって良い母親になる、子どもにとって良い父親になる、そこだけを強調すると、夫婦という関係は背景になってしまいますが、子どもを囲んで良い夫婦になるということが、大事なのだと思います。 現在、子育て支援の次なる課題は、父親の育児参加が一つの柱となっています。父親が家庭に戻ってくることそのものが、社会全体の子育て文化を変えていくことでしょう。支援のニーズも新たなものが生まれてくるはずです。 さらにもっと子ども中心に考えると、子どもにとって必要な対人システムの本質について見極めていくことが重要になってきます。いわゆる社会的養護の必要な子どもたちの支援もまた、家族への心理臨床的な支援を行う者が視野に入れるべき問題です。 ○良い関係を続けるためのメンテナンス すでにおわかりのように、良い関係というものは、一度構築されればずっと続くというものでもなさそうです。本書では取り上げ切れませんでしたが、「レスパイト」のニーズは、実際にはもっと一般家庭にもあると思います。現代社会は、子どもを他人に預けるときに、いろいろと理屈が必要です。働きにでるから、子どもを見られない、という理屈には、子どもからあまり離れるべきではないという暗黙の前提が存在しています。分離については、否定的影響が大きく取り上げられがちですが、一時的に分離することそのものが持つ、親子間、夫婦間などの様々な家族関係システムに与えるメンテナンス効果について、今後私たちももっと考えてみる必 要があるように思えるのです。 皆さんはどのようにお考えでしょうか。どこかでまた皆さんとご一緒に、家族の支援について様々に考え、交流できる機会が得られることを楽しみにしています。 最後に、明石書店の深澤孝之氏は、本書の企画段階から、編集の全過程にわたって、未熟な編者を支えてくださいました。同様に、執筆者にとっても、頼もしい存在であり続けてくださったと思います。この場を借りて、厚くお礼申し上げます。 2010年 秋 青木紀久代
目次を表示
第1部 現代社会と家族 第1章 心理臨床的家族支援の発想 はじめに 少子化と子育て支援 小さな子どものメンタルヘルスのために 家族の機能と関係性に着目する 子どもを育む環境作りをサポートする まとめ――日常的文脈でのコラボレーション 第2章 子育て家族の危機 子育ての孤立化 格差(二極化の問題) 離婚、ひとり親家庭 ドメスティック・バイオレンス(Domestic Violence, DV) 親の依存・嗜癖の問題 第3章 子ども虐待の防止と社会的対応 乳幼児への虐待 死亡事例の大部分は乳幼児 児童虐待は保護者による行為 虐待するのは圧倒的に実母 2カ月男児虐待死、頑張りすぎて裏目に? 子ども虐待のリスク 貧困と虐待 豊かな社会の子ども虐待 意に添わぬ子 虐待が起きてしまったら 児童虐待防止法の10年 子どもの虐待を防止するために 第2部 心理臨床からみた支援の基本 第4章 子どもの発達と親子関係 子どもの発達と親子関係の見方 乳児期~幼児期前期の子どもの発達と親子関係 幼児期後期の子どもの発達と親子関係 子どもの個性 第5章 親の心理教育 心理教育とは何か 親を支える心理教育プログラムの取り組み おわりに 第6章 親子の関係性を改善する介入の基本 親‐乳幼児心理療法の構造 親‐乳幼児心理療法の実際 相談は短期間で一纏め。子どもの発達に合わせてフォローしていく 親の気持ちをつかむ――母性のコンステレーション まとめ 第3部 家族支援の現場から 第7章 子育て・家族支援に関わる人とフィールド さまざまな相談のかたち 相談のための基礎知識 子育ての相談場所 第8章 ハイリスク傾向にある親子への家庭支援 子育て期の家族のリスクとは? 予防の3段階 継続的支援のために 第9章 小児科での家族支援の実際 小児科の相談・心理の現状 家族を対象とした相談と支援 子どもの遊戯療法 子どもの発達保障 家族・夫婦関係の調整――自分探し 地域における連携 小児科における家族支援のあり方 第10章 子どもの障害と家族支援の実際 子どもの障害の理解と支援の動向 発達障害に対する支援 子どもの障害における支援の道筋 療育の場における支援の実際 家族全体への支援――家族のライフサイクルのなかで子どもの障害を考える 地域のなかの連携 次の場へ(就学:個々の教育的ニーズに即した支援) おわりに 第11章 周産期における家族支援 赤ちゃんの誕生が家族にもたらすもの 社会的存在としての赤ちゃん 親のメンタルヘルスとペアレンティング 周産期の家族支援の要となるもの 第12章 社会的養護における家族支援 子ども虐待と社会的養護 虐待発生にいたった家族の状況 深刻な虐待を受けた子どもの特徴 子どもの協働養育者としての家族 家族への具体的な支援と家族の治療 子どもの心の中の家族像を育む 家族再統合と地域再統合 あとがき 索引 執筆者一覧
著者略歴を表示
青木 紀久代
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科准教授。博士(心理学)。臨床心理士 東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程修了。お茶の水女子大学大学院生活科学部助教授を経て、平成19年より現職。著書に、『調律行動から見た母子の情緒的交流と乳幼児の人格形成』(風間書房)、『子どもを持たないこころ――少子化問題と福祉心理学』(共編著、北大路出版)、『発達心理学――子どもの発達と子育て支援』(編著、みらい)、『親のメンタルヘルス――新たな子育て時代を生き抜く』(編著、ぎょうせい)など。訳書に、『親-乳幼児心理療法――母性のコンステレーション』(共訳、岩崎学術出版社)など。
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- タイトル読み
- イッショ ニ カンガエル カゾク シエン : ゲンバ デ ヤクダツ ニュウヨウジ シンリ リンショウ
- 著者読み
- アオキ, キクヨ, 1963-
- 形態情報
- 261p ; 21cm
- 資料種別
- 図書
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