要約・抄録・解説
普段は意識することすらない自明な事柄が大きく揺るがされる体験をしたクライエントの語りやイメージ、心理療法過程で臨床家自身がそうした体験に投げ込まれた事例を取り上げ、臨床家に求められる姿勢を根本から捉え直す。
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【目次】
刊行によせて
木村晴子記念基金について
はじめに
序章 自明性の揺らぎと心理療法
1.本書における自明性の揺らぎ
2.自明性の揺らぎと「自然な自明性の喪失」(Blankenburg, 1971/1978)
3.心理療法を考える切り口としての自明性の揺らぎ
4.本書の目的と各章の構成
第1章 “私という存在そのもの”の自明性の揺らぎ――自我体験を素材に
1.本章の問題と目的
2.調査方法
3.自我体験の体験内容と位置づけ方の類型化
4.自我体験について語り聴く体験
5.まとめ――基本的信頼感に支えられた私の再構築
第2章 日常における自明性の揺らぎ――「なぜ私が糖尿病に?」という問いをめぐって
1.日常の自明性を揺るがす事態としての糖尿病
2.糖尿病とは
3.夜間低血糖発作から死の恐怖を感じる1型糖尿病の青年期女性
4.糖尿病を生きることを「運命」と語る1型糖尿病の青年期男性
5.本章の総合考察
6.日常の自明性の揺らぎ――「なぜ私が?」という問いが拓く新たな「物語」の到来
第3章 自明性の揺らぎを通して、限界に向き合うこと――変容の力とその困難さ
1.能動性の幻想が崩壊した先に立ち上がる独自の物語
2.強さにこだわり続ける青年との心理療法
3.考察
第4章 心理臨床家の自明性の揺らぎ
1.心理臨床家の「有限性」への徹底的な内在
2.余命3か月と宣告された40代男性との心理療法
4.心理臨床家が自明性の揺らぎを生きることの意義
第5章 総合考察
1.自明性の揺らぎに内包される変容の力と困難さ
2.自明性の揺らぎを生きるクライエントに関わる心理臨床家の姿勢
3.今後の課題と展望
おわりに
文献
索引
初出一覧
謝辞