内容紹介
心の病をもつ人に心理療法を提供すれば,人生や社会はよくなり,国の財政も改善する。英国で巻き起こった幸福改革の全貌が明らかに
版元コメント
うつ病や不安障害は非常にありふれた心の病です。近年、精神疾患に対して治療効果の高い治療法(心理療法)が多く見出されています。しかし、身体疾患をもつ人は治療を受けられるのに、精神疾患をもつ人は適切な治療を受けられていません。
うつ病や不安障害をもつ人は、労働人口に多いため、彼らが心の健康を取り戻すことができれば、しっかりと働くことができるようになるので、福祉給付が節約できます。
また、精神疾患をもつ人は身体医療を悪化させることが多いので、心の健康を取り戻すことができれば、身体医療にかかる費用も軽減されます。
したがって、心理療法を提供することにかかる費用は、「取り戻す」ことができ、社会的な費用負担は実質的になくなります。
そして何より、治療を受けることで多くの人が充実した、幸福な人生を送ることができます。
そうした治療を、希望する人に提供することは、国や社会の果たすべき役割なのではないか。そうした思いから、イギリスでは、経済学者と臨床心理学者がタッグを組み、2000年代後半から「幸福改革」ともいうべき心理療法アクセス改善(IAPT)政策が実施され、大きな成果をあげています。
日本では新しい国家資格として公認心理師が誕生します。国や社会が心の健康の問題にどう取り組めばよいのか、多くの示唆が得られる本です。
目次を表示
第1部 問題は何か?
第1章 何が問題か?
第2章 精神疾患とは何か?
第3章 どれだけの人が苦しんでいるのか?
第4章 援助は得られているのか?
第5章 精神疾患は生活にどう影響するのか?
第6章 経済的負担はどれくらいか?
第7章 精神疾患の原因は何か?
第2部 何ができるか?
第8章 治療は有効なのか?
第9章 治療法はどのように発展したのか?
第10章 どの治療法が誰に効くのか?
第11章 心理療法を提供する経済的余裕はあるのか?
第12章 心理療法アクセス改善(IAPT)政策はどう生まれたか?
第13章 子どもと若者に対する効果的な治療法は何か?
第14章 精神疾患を防ぐことができるのか?
第15章 よりよい文化は助けとなるのか?
第16章 この苦痛を止められるか?