登録日:2026/9/1
応用行動分析(ABA)から考える ASD(自閉スペクトラム症)の人の不安とコミュニケーション支援―7 つ道具とアセスメント
- 著者
- 出版社
- 明石書店
- 発売日
- 2026/10/1
- ISBN
- 9784750361468
- ASIN
- 4750361461
- 概要・目次
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補足情報
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- サブタイトル
- 7つ道具とアセスメント
- ページ数
- 200ページ
- 価格情報
- 2,400円(税抜)
内容紹介
応用行動分析(ABA)の視点から、自閉スペクトラム症(ASD)のある人の不安とコミュニケーションの困難を理解し、具体的な支援方法を解説する実践書。ABCモデルにもとづく「7つ道具」を、豊富な事例とイラストでわかりやすく紹介し、学校・家庭・福祉現場で活用できる支援のあり方を示す。
版元コメント
はじめに (…前略…) 自閉スペクトラム症(ASD)のある人にとって、不安は突然生まれるものではありません。「次に何が起こるのかわからない」「いつ終わるのか見えない」「自分の気持ちが伝わらない」「この活動の目的は何?」。そうした積み重なった“わからなさ”が、不安として行動に表れているのです。大泣きする、怒って人を叩く、走り回る、唾遊びをする、固まる、逃げる──それらは困った行動ではなく、環境とのミスマッチを知らせる大切なサインだと、私は考えています。 ASDは、障がいの中でも特に誤解されやすく、対応が難しいと感じられることの多い障がいです。適切な理解や支援がなされないまま、環境や対応とのミスマッチが続くと、やがて「強度行動障がい」と呼ばれるような状態に至ることもあります。だからこそ、行動の背景にある不安やニーズを丁寧に読み解く視点が欠かせません。 本書『応用行動分析(ABA)から考えるASD(自閉スペクトラム症)の人の不安とコミュニケーション支援――7つ道具とアセスメント』は、応用行動分析(ABA)の視点から、不安の背景を整理し、視覚的支援と構造化によって安心をつくる具体的方法をまとめたものです。7つ道具はいずれも、学校や施設、家庭で日常的に使える形に落とし込んでいます。専門的な理論は、現場で「使えてこそ意味がある」という立場で解説しました。 本書で紹介する事例は、年少の子どもから成人の方まで、知的に重度の方から、いわゆる「高機能」と呼ばれる方まで、幅広いASDの方々を対象としています。ただし、ASDのある人は一人ひとり異なる個性を持っており、すべての事例が誰にも当てはまるわけではありません。だからこそ、個々の理解には丁寧なアセスメントが不可欠です。支援の出発点は、目の前のその人をよく知ることにあります。 (…中略…) 本書は、支援者と保護者が同じ視点・同じ言葉で子どもや利用者を理解するための“共通の土台”となることを目指しています。 この一冊が、特別支援教育や障がい福祉の現場と家庭をつなぎ、「不安を減らす支援とは何か」を一緒に考えるきっかけになることを願っています。
目次を表示
はじめに 第1章 応用行動分析からみたASD児者への合理的配慮――そのコミュニケーション支援について 1 ASDとは 2 応用行動分析からみたASDの人のコミュニケーションの理解 3 コミュニケーション行動とは 4 ASDの人の支援の6つのポイント 5 実践と科学の一体化を 第2章 ABCモデルと7つ道具 ASD児者のコミュニケーションを支援するABCモデルと7つ道具 ◆ABCモデルとは レベルA・本人に伝わってない場合 「理解の道具」 1 ASDの人の言語理解の問題と視覚的支援 2 視覚的支援の実際 3 アセスメント 4 視覚的モードの理解のその他のアセスメントの方法 5 まとめ レベルB・本人からうまく伝えられない場合 「意思表出の道具」 1 表出コミュニケーションが困難になると 2 表出コミュニケーションを支援する3つのポイント 3 アセスメント 4 まとめ レベルC・動機づけと社会性の問題 「動機づけと社会性の道具」 1 動機づけと社会性の問題とは? 2 好みと苦手なもののアセスメント 3 まとめ ◆ABCモデルに基づいた問題の原因と対応策 第3章 ASDの人の不安を解消する7つ道具の活用法 レベルA 道具1 部屋の環境調整 1 その人の感性やこだわりを知るためのアセスメント 〈事例 れんちゃんの場合〉部屋の環境調整 2 部屋の環境調整3つのポイント 道具2 予定や変更の見える化 1 1日のスケジュールの見える化 〈事例 しょう君の場合〉写真カードによるスケジュールボード ワンランクUP⤴指導の心得 まず絵カードの意味を1枚ずつ教える 〈事例 ゆうと君の場合〉文字カードによるスケジュールバインダー ワンランクUP⤴指導の心得 予定の中止や追加など変更も加える 〈事例 はるなさんの場合〉具体物によるスケジュール棚 ワンランクUP⤴指導の心得 具体物で示すスケジュール 〈事例 りくと君の場合〉文章によるクリップボードにはさんだスケジュール表 ワンランクUP⤴指導の心得 使うことを拒否された場合には 2 週、月単位のスケジュールの見える化 〈事例 いつき君の場合〉写真カード・絵カードによる週間・月間カレンダー ワンランクUP⤴指導の心得 日付、曜日の概念を習得していない人の場合 道具3 活動の終わりの見える化 1 「活動の終わりの見える化」のためのアセスメント 2 「物がなくなること」「シンボルカードがなくなること」「文字や文のチェックリスト」を用いる ① 物がなくなることで活動の終わりを伝える 〈事例 たいき君の場合〉自立学習課題における活動の終わりの見える化 〈事例 はじめさんの場合〉缶つぶし作業の活動の終わりの見える化/腹筋運動における活動の終わりの見える化/トイレットペーパーの使用における活動の終わりの見える化 ② シンボルカードがなくなることで活動の終わりを伝える 〈事例 けん君の場合〉シンボルカードを使った自立学習活動の終わりの見える化 〈事例 よしとさんの場合〉シンボルカードを使った運動活動の終わりの見える化 ワンランクUP⤴指導の心得 ゲームや遊びの「活動の終わりの見える化」の例 ③ 文字や文のチェックリストによる「活動の終わりの見える化」 〈事例 けんた君の場合〉自立学習における活動の終わりの見える化 ワンランクUP⤴指導の心得 「習得性の弱化子」「弱化子消失による強化の機能」「習得性の強化子」「強化子消失による弱化の機能」 道具4 活動のやり方の見える化 1 「課題分析」のアセスメント ワンランクUP⤴指導の心得 プロンプトとフェイディング 2 活動のやり方の見える化の3つのポイント 〈事例 えいた君の場合〉「着替える」の活動の見える化 〈事例 ちかさんの場合〉紅茶づくりのやり方の見える化 〈事例 しょうま君の場合〉パンケーキを作る活動のやり方の見える化 〈事例 A社の場合〉席に戻る行動の整理統合の工夫 〈事例 けんと君の場合〉歯みがきのめくり式の手順書 ワンランクUP⤴指導の心得 行動連鎖 レベルB 道具5 表出コミュニケーションの見える化 1 表出コミュニケーション指導の基礎 ワンランクUP⤴指導の心得 機会利用型指導法 ワンランクUP⤴指導の心得 フリー・オペラント技法 2 さまざまな表出コミュニケーション手段の指導 〈事例 さとし君の場合〉言語モデルで適切な表出コミュニケーションを教える ワンランクUP⤴指導の心得 原初的な言語の学習 〈事例 しげる君の場合〉視覚的なリマインダーカードで適切な表出コミュニケーションを教える 〈事例 さくらさんの場合〉漫画スクリプトで適切な表出コミュニケーションを教える 〈事例 ごうし君の場合〉具体物による表出コミュニケーションを教える 〈事例 たけおさんの場合〉絵・写真ボードによる表出コミュニケーション 〈事例 あきこさんの場合〉ひらがなボードによる表出コミュニケーション 〈事例 ゆうま君の場合〉身振りやサイン言語による表出コミュニケーション 3 般化 〈事例 みさきさんの場合〉日々の活動から表出コミュニケーションのニーズを調べる レベルC 道具6 行動の結果の見える化 1 頑張ったらよいことがあることを見える化する① 〈事例 じん君の場合〉休憩から作業に切り替えた行動の結果の見える化 ワンランクUP⤴指導の心得 「変化抵抗」「行動モメンタム」 2 頑張ったらよいことがあることを見える化する②(トークンシステムの活用) 〈事例 ゆうせい君の場合〉トイレの水を流す行動を促すためのトークンシステムの活用 ワンランクUP⤴指導の心得 強化スケジュール 3 間違ったことをしたらよくないことがあることを見える化する(レスポンスコスト) 〈事例 ごろう君の場合〉自動車の窓を叩く間違った行動を減らすレスポンスコストボード 〈事例 そうたさんの場合〉休み時間の間違った行動を減らすレスポンスコストボード 〈事例 ゆうた君の場合〉隣の教室に行ってしまう間違った行動を減らすレスポンスコストボード 道具7 ルールの見える化 1 ルールの見える化のアセスメント 〈事例 しょうた君の場合〉〇×ルールによるルールの見える化 〈事例 つばさ君の場合〉ごほうびチェックによるルールの見える化 〈事例 てるみさんの場合〉不安の対処法のルールの見える化 〈事例 じゅんいちさんの場合〉ステッカーによるルールの見える化 ワンランクUP⤴指導の心得 ルール支配行動 〈事例 とおる君の場合〉ソーシャルストーリーTMによるルールの見える化 おわりに 参考文献
著者略歴を表示
今本 繁
合同会社ABC研究所 代表社員 工学士(東京工科大学) 臨床心理士 教育学博士(東京学芸大学大学院) 教育学修士(筑波大学大学院) 自閉症スペクトラム支援士EXPERT 東京工科大学工学部卒業後、ボランティア活動に従事し、心理専門職を目指して広島大学研究生、筑波大学研究生を経て、筑波大学大学院博士課程心身障害学研究科入学。行動療法の小林重雄教授(筑波大学名誉教授)に師事。修士号取得後は、知的障害者通所施設大野城すばる園(野口幸弘所長:現福岡障害者支援センター理事長)にて研究活動と同時に非常勤指導員として勤務。その後、国立肥前療養所(現:肥前精神医療センター)心理療法士として勤務後、ウェスタンミシガン大学ABAサマーブーツキャンプ研修、ノースカロライナ大学TEACCH部で1年間の研修などを経て平成14年に西南女学院大学で講師を務める。平成17年に絵カード交換式コミュニケーションシステム(PECS)の普及を目指してピラミッド教育コンサルタントオブジャパン(株)を設立。平成27年に退職し現職。令和7年3月東京学芸大学連合大学院にて横浜国立大学の渡部匡隆教授の指導の下、教育学博士取得 researchmapホームページに詳細な情報を掲載:https://researchmap.jp/read0208449/ ABC研究所ホームページ:https://www.abclab15.com/ YouTube「こんな時どうする⁉チャンネル(ABAチャンネル)」:https://www.youtube.com/@%E6%B0%97%E8%BB%BD%E3%81%ABABA-c9b
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