内容紹介
戦後日本を代表する知識人、社会学者日高六郎。そのの学問と思想を、社会心理学と教育運動の面から丹念に考察する。
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はしがき
序章 日高六郎の戦後啓蒙
1 日高六郎という戦後知識人
2 「戦後啓蒙」とは何か
3 戦後啓蒙と社会心理学
4 戦後啓蒙と学校教育
5 日高六郎に関する先行研究
6 本書の構成
第1章 思想形成と戦後の出発
はじめに
1 生い立ちと思想形成、戦争体験
(1)青島時代
(2)東京高等学校から東京帝国大学へ
(3)召集から敗戦まで
2 戦後の出発――「人間の解放」というモチーフの生成
(1)マルクス主義者への疑義
(2)「開いた魂」「開いた社会」の希求
(3)「科学的人間主義」の立場
おわりに
第2章 一九五〇年代における社会心理学の展開とその思想
はじめに
1 社会心理学の導入と「旧意識」の叙述――一九五〇年代前半
(1)パーソナリティとパーソナル・コミュニケーションへの着眼
(2)「旧意識の温存と変容」(「「旧意識」とその原初形態」)
2 「旧意識」と「階級意識」の定量分析――一九五〇年代半ば
(1)工場労働者に対する社会調査の前提と方法
(2)「新しい意識」としての「階級意識」
(3)調査結果と変革への展望
(4)著者たちの立ち位置
3 近代的主体と「社会的性格」の追究――一九五〇年代後半
(1)東側世界への評価と社会心理学的研究の軌道修正
(2)城戸浩太郎の死去
(3)「イデオロギー・社会心理・社会的性格」
おわりに
第3章 社会科教育をめぐる実践
はじめに
1 教科書執筆――一九四八年~一九五〇年代
(1)文部省著作『個人と集団生活』
(2)中教出版の検定教科書
2 教科書パージへの対応――一九五五~五七年
(1)「うれうべき教科書の問題」
(2)「F項パージ」
3 社会科教育をめぐる理論の提供――一九五〇年代後半~一九六〇年代
(1)道徳教育と「愛国心」の問題
(2)社会科教育論
おわりに
第4章 教育運動への関わりとその思想
はじめに
1 教育への関心の高まり――一九五〇年代初頭
(1)教育をめぐる発言の開始
(2)生活綴方への評価
2 教研活動への参加開始――一九五〇年代半ば
(1)教研集会の衝撃
(2)教研活動への問題提起
3 保革対立の激化のなかで――一九五〇年代末
(1)勤評闘争と教研活動
(2)教師の政治主義をめぐって
4 教研活動形骸化への批判と教育論・教育運動論
(1)安保闘争後の分裂――一九六〇年代
(2)教育論・教育運動論
おわりに
第5章 社会心理学のその後と「戦後民主主義」への問い
はじめに
1 マルクス主義批判
(1)「正統派」マルクス主義との提携の模索
(2)『現代の理論』処分問題に関する日本共産党批判
(3)生活記録運動の停滞の分析
2 「市民」への問いと社会心理学からの離脱
(1)「市民」の台頭/「現実主義者」の台頭
(2)アカデミズムからの離脱
3 「東大紛争」と一九七〇年代以降の展開
(1)学校教育、戦争責任、「東大紛争」
(2)全共闘への理解
(3)「戦後民主主義」の擁護者へ
おわりに
終章 戦後日本におけるリベラル派の知的遺産
1 関係論的な「主体」観
2 ナショナリズムを平和と人権尊重へ
3 学校教育と社会の関係性、「権力性」を引き受ける責任
4 「戦後民主主義」と現在
あとがき